今回紹介するのは、平成15年式のフィットで、エアコン(冷房)の効き不足の原因と修理についてです。
症状:走行中は冷たい風が出てくるが、
信号待ちしている時は冷えが極端に悪くなる。
切っ掛けはお客様より、『エアコンの効きが悪い』と相談を受け、
詳しい話を伺った所、
『走行中は冷たい風が出てくるが、信号待ち等の停車時には効かなくなる』とのことでした。
現車に乗って確認してみると、確かに走行中はしっかり冷たい風が出てきますが、
停車時にはぬるい風しか出てきません。
エアコンの冷え不足という症状で思いつくのはエアコンのガス(冷媒)不足ですが、走行中にはしっかりと冷たい風が出てきたという事もあるので、その可能性は低そうです。
他にこの症状の原因として思い当たる事があったので、その確認のためエアコン(冷房)を使用している状態でボンネットを開けた所、やはりといいますか、エアコン用コンデンサファンが回っていませんでした。
試しにファンを回転方向に軽くつついてみると、もうしわけ程度に回り始めました・・・。
(※通常は勢いよく回る部分なので、触れると怪我や破損の危険があります。)
少し見にくいですが、全体の写真と拡大写真です。
赤く囲ってあるところがエアコン(冷房)のコンデンサになります。
ファンはこの裏についていて、空気を吸い込んで冷やすような仕組みになっています。
エアコン(冷房)は簡単にいうと、圧縮熱を利用して熱の移動をしている装置です。
“気体”を圧縮すると温度が上がり、膨張させると温度が下がるという性質を利用しています。
この“気体”は、エアコンの場合ではエアコンガスにあたります。
(気になる方は検索サイト等で断熱圧縮と断熱膨張について調べてみると分かると思います。)
つまりエアコン(冷房)の場合では、
エアコンのコンプレッサーでエアコンのガスを圧縮。
↓
圧縮によって温度の高くなった圧縮ガスを車体の前面にあるコンデンサに通し、空気冷却によって温度を下げる。
↓
その状態の圧縮ガスを膨張させる。
↓
膨張によってガスの温度が外気温より低くなるので、それを車内コンデンサに通す。
↓
車内コンデンサに空気を通すことによって冷たい空気が得られ、その空気がエアコンの送風口から出てくる。
簡単な説明ですが、こんな感じになると思います。
上にも書きましたが、現車は圧縮したガスを冷やす所である車両全部のコンデンサのファンが回っていませんでした。
つまりその部位で空気冷却ができていない事が、エアコンの冷え不足の原因になっていると考えられます。
(走行中に冷房がしっかり効くのは、走行中の走行風によってコンデンサが空気冷却されるためと考えられます。)
コンデンサのファンについて点検した所、モーターの不具合が確認できたので、
その旨をお客様に説明・確認し、交換修理となりました。
交換後にエアコンの冷房状態を点検した所、しっかりと冷えた空気が出ることが確認できました。
エアコンは快適なドライブには欠かせない物になっていると思います。
冷房や暖房が効かない、もしくは効きが弱いと思い当たる方は、お気軽に当社までご相談下さい。
上に戻る
バックナンバー0011 クルマの写真を撮ろう! 0009 バッテリーのお話 0008 ブレーキ・パッドのお話 0007 「JAFに入会しない」ということ 0006 「JAFに入会する」ということ |
整備士の勘 イチオシ |
他メニュー 「旧ホームページからの移転」 |
株式会社トップ自動車は、自動車の車検・整備を通じて地域に貢献する会社です。 | TEL. 0545-53-3655〒417-0033 静岡県富士市島田町1-39 |
|