15年 8月 4日
筆者 六郷

猛暑日!オーバーヒート注意報




猛暑日!オーバーヒート注意報



 「今年の夏はたいへんな事が起こりそうだ!」
 7月の後半、梅雨明けを待たずに気温は30度を超える真夏日になった。この調子だと「夏本番の8月になったら気温は40度を軽く超えてしまうかもしれないぞ!」そんなことを言ったら女子事務員のトモちゃんに「おやじギャグつまんな~い」と馬鹿にされてしまった。


 オーバーヒートの昔と今

 今回は夏の猛暑日にクルマがオーバーヒートを起こしてしまった場合の対処方法を書いてみよう。

 昭和のころクルマは大体はエンジンがタテ置きでした。このタイプはエンジンが回ることによって冷却ファンも回り、常にラジエーターを冷やしていた。
 タテ置きエンジンのFR車(前エンジン・後ろ駆動輪)の場合、常に冷却ファンを回している特性からクルマがオーバーヒートを起こしてもすぐにエンジンを切らずにアイドリング状態を保つように教わってきた。自動車学校でもそのように教えていたと思う。


          縦置きエンジン

         エンジンの前側に冷却ファンが付いているので
        エンジンが回転していればエンジンは冷やされている。


         横置きエンジン


      最近のエンジンは上の写真のような横置きが主流です
    冷却ファンはエンジンと直結していない。電動で回転しています。

 しかし、最近は一部の高級車やスポーツカーにしかこのタテ置きエンジンは使われていない。今はヨコ置きエンジンのFF車(前エンジン・前駆動輪)が主流だ。
 このヨコ置きエンジンの特性は冷却ファンがエンジンとつながっておらず、電動で回転してラジエーターを冷やすようになっている。オーバーヒートを起こした後も、エンジンが回っていれば、ますます水温が上がってしまい、さらにエンジンは悪い状況になってしまう。

 もしオーバーヒートがおきてしまったら

※FF車の場合
オーバーヒートを起こしたら直ちにエンジンを止めることが大事だ。
そしてエンジンを止めた後の対処にも注意が必要だ。
もしうっかり下記のようなことをしてしまうと、
エンジンを止めてしばらくして...
「水温もだいぶ冷めてきたようだ」
- エンジンキーを回し -
「よし、エンジンが掛かった」
- そのまま走り続けても水温計も上がってこない -
「なんとか自宅まで走って帰ろう」
 もう取り返しがつかないほどエンジンに重大なダメージを与えてしまう。

 整備士の判断

 水温計が上がらないのは、ラジエーターの水が抜けてしまっている状態だ。
 水が入っていなければ水温計が上がらない場合が多い、でもエンジンはチンチンに焼けていることがある。

  こんな状態で帰宅し、ボンネットを開けて(ここまでは何も起こらない事が多い)
- ラジエーターのフタをはずす -
「おや、ラジエーターの水が少ないようだ」
- と思ってラジエーターに水を入れると -
(さあ大変!)水を入れたとたんに水蒸気が噴出してくる。
  水蒸気が噴出するのは補充した水が熱く焼けたエンジンに熱せられ急激に沸騰するためだ。
 さらに水を入れると沸騰したヤカンのようにブクブクと水蒸気の泡となって噴きだしてくる。こうなってしまうと危機的領域に入ってしまったといえる。
 水を入れるときは絶対にラジエーターを覗き込んだりしてはダメだ!

 整備士の判断

 では、最近のヨコ置きエンジンのクルマがオーバーヒートを起こしたらどうすればよいのかというと、
・直ちにエンジンを止める。
・ラジエーターキャップは絶対に開けないこと。
・冷めてきたら大丈夫だけど“ちょっと心配”。最寄の整備工場かJAFに電話をする。
・そしてなにもせずに「JAFなどの救助を待つ」のが正解!


てんけんくん オーバーヒートが起こらないように日々のメンテナンスが重要だな!


 


 せいびちゃん
今年の夏はとても暑いですね
クルマがオーバーヒートを起こしたら自分で対処しないで
私たち自動車整備のプロに任せてくださいね!



 エンジン・フラッシュ

 交換の目安は、3,000km~5,000kmです。
 オイルの汚れがひどい状態で走り続けると、エンジン内にゴミ(ワニス・スラッジ)が溜まりやすく、オイルラインの目詰まり等で潤滑不良がおきる危険性が高くなります。
 交換工賃込み ¥2,160~ 
 交換料金は車種により異なります。

 エンジン・フラッシュ

 走行しながらエンジン内の汚れを徐々に取り除き洗浄を行うので、隅々までしっかりと汚れを落とすことができます。
 3000~4000km走行してからが交換の目安です。


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