今回紹介するのは、平成10年式のイスズ フォアード〔KC-FRR32L4〕(走行距離 約38万km)の、
デファレンシャルの交換作業についてです。
症状:走行中に異音がする。
切っ掛けは、お客様より
『走行中に異音がする』
とのことで、車両を当社に持ち込まれました。
最初に検査ピットに入れ、下廻りを確認しました。
プロペラシャフトのユニバーサルジョイントの具合を確認した所、グリスの給油状態は良く、異常ありませんでした。(というのも、以前ジョイントが焼きついて異音が発生した車両があったので、まさか今回もそうなのでは、とまず最初に確認しました。)
そのまま各所の駆動系を点検した所、プロペラシャフトの動きに異常が見られました。
回転方向に動かしてみると、デフ内部でガタと見られる動きがかなり見られます。
通常はバックラッシュ(遊びのガタ)が多少はあるのですが、それはほんの僅かな物のハズで、この車両の状態は明らかにバックラッシュの範囲を超えている物でした。
デファレンシャル付近の異常ではないかと目処を着け、車両をリフトアップして、リヤの駆動シャフトを左右共に抜き、抜いたシャフトの状態を確認。
シャフト自体には特に問題は見られませんでしたが、付着しているデフオイルに鉄粉が見られました。
さらに点検を続けた所、デファレンシャルが破損している事がわかりました。
その後お客様へ現車状況の説明・確認をさせて頂き、修理の運びとなりました。
破損の程度等の状況を確認するためにデフを取り外してみると、デフのリングギアとドライブピニオンが損傷していました。
また、破損したギアの欠片がアクスルハウジングの中から出てきた時には、その量にビックリしました。
このデフの状態では分解修理に不安が残るのでデフのアッセンブリー交換をする事になりましたが、予算の関係で中古品のデフ(実走行、約18万km)を使用する事になりました。
(ちなみに、新品の場合は“¥581,000-”とのことです。トラックなのでデフのサイズも大きく、値段もかなり高いですね。)
左- 中古品のデフ 右- 破損しているデフ
デフの破損の原因で思い当たるのは、デフオイルの管理の有無でしょうか。
デフは信じられないほどの強い力が加わるパーツなので、その分作りもしっかりしていますし、早々壊れるということはありませんが、デフオイルの管理によってはそうとも云えません。
今回のデフはかなり酷い状態でしたが、、どのような事が原因になって破損につながったのか、はっきりしたことはなんとも云えません。
ただ、ギアの欠片がギアにかみこみ、さらに破損が広がりと、加速度的に破損が進んだ可能性はありますし、あと数キロ程度でデフがバラバラになっていた可能性もあります。
なにはともあれ、大事に至る前に修理することができて良かったと思います。
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