今回ご紹介するのは、平成11年式のヴィッツ「走行距離:約87,000km」のエンジンの異音の修理です。
症状:アイドリング時・走行時共に、エンジン内部よりガラガラという異音が聞こえる。
エンジン駆動時には、新車の状態であっても少なからず駆動音がするのですが、今回のお車の症状は音の大きさが非常に目立ち、音の種類も異音といえるものでした。
このままでは危険な状態であると判断して、お客様へ確認のうえ修理をすることになりました。
まず、音の位置からエンジンのタイミング・チェーン部周辺ではないかと考え、また音の種類(ガラガラ音)から駆動部の干渉を疑いました。
タイミング・チェーン(ベルト)とは、エンジンの吸排気や爆発のタイミングを正確に実行しているパーツで、車種によっては冷却水やオイルなどの循環にも関わっている重要な部分です。タイミング・チェーンはメンテナンスの状態が悪いと破損や切れてしまう事があり、その場合走行不可となりエンジンに重大なダメージを与えてしまう繊細なパーツでもあります。
※”タイミング・ベルト”を使用の車種は交換距離が設定されています。(10万kmと設定されている場合がほとんどですが、詳しくはお車の取扱説明書をご覧ください。)
タイミング・チェーン周辺の不具合や、それ以外の原因についても視野に入れながらエンジンの分解に取り掛かります。
タイミング・チェーンを確認します。
タイミング・チェーン
不具合や駆動部の干渉がないかを確認したところ、チェーンの伸び、さらにはチェーンを回しているスプロケットの磨耗を確認しました。
エンジン駆動時には、このチェーンがものすごい速さで回転します。通常はチェーンのタルミや回転によるバタツキを抑える機構があるのですが、チェーンの伸び幅が多く抑制の限界を超えてしまったためにバタツキが起き、音の原因になっていたようです。
新品チェーンとの比較(上側のチェーンが新品)
見た感じでは、それほど伸びているようには見えないかもしれないですが、組んである状態ではかなりの弛みになります。
タイミング・チェーンは、エンジンオイルによる潤滑を受けているパーツです。エンジンオイルの管理を疎かにした場合、このような症状が出る場合があります。
またエンジンオイルのメンテナンスは、今回ご紹介した不具合以外の予防にもなりますので、定期的に受けることをお勧めします。
今回のエンジン異音はタイミング・チェーン周辺部のパーツの劣化が原因でしたが、
その他にもさまざまな原因によるさまざまな症状(異音や振動等)があります。
エンジンの異音や不具合に気がついたときは、早めに修理工場へ相談をした方が良いかもしれません。
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