14年07月15日
筆者 小川

 購入費を含めて“安さ”を突き詰めるなら、「乗らない!」と割り切るのも一つの手ですが、そうもいかない。
 オンボロでも走ってくれれば良いというのならともかく、見た目や乗り心地や利便性なんかを考えていくとやっぱり“それなり”になってしまいますよね。
 まあ何が言いたいかというと、車の維持費を減らすにはどうしたらいいかな、という事です。

 今回は、整備士っぽく、整備の視点から維持費について考えてみたいと思います。


14年08月21日 一部改訂編集




知らないと損!整備費用のお得な裏技!


家の次に大きな買い物『自動車』

 ガソリン代だけでずーっと乗れる、というのなら真に宜しいのですが、実際はその他の維持費も馬鹿になりません。
 車検、点検、保険、税金、あとはオイル交換などの定期的に掛かる費用に加え、何らかのトラブルがあればその修理費なんかも。あ、カスタム費用は今回は触れないでおきましょう。

 ハイブリッド車・低燃費車もよく見かけるようになりましたし、低燃費な運転にも注目されてますから、ガソリンの消費量は一昔前よりもぐっと減っているでしょうか。



 さて、本題の整備費用のお話に移る前に、とりあえずトップ自動車でよく出る交換部品から見ていきます。
 やはり交換するのは定期的なメンテナンス部品が多いですから。



 ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
 エンジン系
 オイル、 ベルト、 プラグ、 エアーエレメント、 バッテリー
 ブレーキ系
 ディスクパッド、 ホイールシリンダーカップキット、 ライニング
 シャシー系
 ハブナット・キャップ、 ブーツ系各種


上に挙げた部品が僕がよく交換していると感じている物です。
 「エンジン関係」や「ブレーキ関係」、「シャシー系」等の消耗品が多いですね。


  本当はもっと色々あるのですが、ぱっと思いついた物を挙げてみました。
  会社にあるデータを見てみれば、どの部品が年間どれくらいで1ヶ月平均で何個とかまで出るのでしょうけど、そこまですると際限がなくなってしまうので割愛しまーす。

豆知識1

 上記の部品の数々は、磨り減ったり、破れたり、漏れたり、あるいはそれらの状態になる前に交換する消耗部品になります。
 ただし、交換部品の中には『※再使用不可部品』があり、それに関しては削れ・破れ・漏れ等の予防とは少しニュアンスが違ってきます

※ 再使用不可部品の一例
 分解時に取り外し、その後組み付けるのですが、ロック機構が付いている一部のハブナットや、取り外し時に変形してしまう一部のキャップ等は、再使用すると、緩みや、水(雨水、結露)の混入の恐れがあるので、原則として交換になります。



ユーザーにとって、ベストな換え時とは?


ここから維持費のお話です。


 先に挙げたの定期交換部品には“換え時”があります。

 例えばオイル交換。
 車の取り扱い説明書には10,000㎞ごとに交換、と書いてある車も珍しく有りません。
 しかし実際の所、皆さんは3,000㎞や5,000㎞で交換していると思います。

 これが整備の視点からの“安い維持費”なのです。

 車に詳しい人の中には『最新技術の塊の日本車がそうそう壊れるわけがない、売上稼ぎだ』と思われるかもしれません。
 ここで重要なのは車への要望をどこまで求めるのか、です。
 その要望が、快適に不安なく長い間乗りたい、というものでしたら、たとえ説明書に「10,000㎞ごと交換」と書いてあっても絶対に勧められませんオイルのスラッジがいたるところに溜まって不調になる可能性が高く、それらの整備費修理費の方がオイル交換料よりも高く付きます。

 つまり、『オイル交換をしないことによるデメリットを、短い交換サイクルで無くす』というのが、整備の視点から見た“安い維持費”なのです。


もう一つ、整備の視点での“安い維持費

 走行距離が伸びればブレーキのディスクパッドが減ります。
 正確に云うと、ブレーキを使えばその分だけディスクパッドが削れ、厚みが少なくなります。
 そして限度を過ぎる前に、安全性を確保のためディスクパッドの交換が必要になります。

 『ブレーキを使わない運転をすれば良い』

 まあ確かに極論その通りなのですが、それだと整備の視点は全く関係ないというか、実際問題としてそんな運転は不可能なので、ちょっとしたアイデアを1つ。



整備工賃と部品代の関係

 少しややこしい話しになるので、一つの例を作って進めていきます。
Aさんの依頼
 「新車で購入して3年、初めての車検整備を依頼した。」

走行距離は30,000㎞。
ブレーキの消耗部品『ディスクパッド』の消耗していて次回の車検まで持ちそうにないという連絡があり、危険なので交換を進められた。
ちなみに、車検後も今までと同じくらいの使用頻度で車を乗りそうだ。
 ※クルマの管理を徹底している方でなければ、おそらくディスクパッドを交換する流れになるかと思いますが・・・、さらに話を進めます。




 新車時、新品のパッドの厚みが凡そ10㎜あるとして、車検時の残厚を仮に4㎜としましょう。
 そうすると、つまりは新車時から6㎜削れているという事になります。。


 その場合、単純計算すると1年間のパッドの消耗厚は2㎜という事になります。


 残厚4㎜をそのままにすると、次の車検時(2年後)には
4㎜ (残厚) - 4㎜ (1年で2㎜減る、2年なので4㎜減る)

0㎜
危険!
 となります。


 0㎜というとパットの厚みが無く、金属同士が擦れ合う状態です。
 これはもちろん危険なので、整備士としては間違いなくディスクパッドの交換をお勧めします。


 で、何が言いたいかというと、
 残厚4㎜で2年走ろうとするから危険なのであって、1年後、つまり一年点検の時に交換の予定を立てておけば、何も4㎜の残厚を無駄にすることも無いわけです。
 4㎜というと、半分を少し切った程度ですから勿体無いと考えることもできますし。



 まあ実際のディスクパッドの減り方は走行頻度や走り方で変わったりするでしょうから、一概に1年で平均何㎜削れるとは断定出来ないですけどね。



-安さの答え-
 一年点検時にディスクパッドの交換をすればお得!?




 よし解決だ、とならないのがこのお話の難しい所。
 もう少しだけお付き合いください。

豆知識2
 ディスクパッドには、残厚の残りが少ない事を知らせるモニター(金属の板でディスクローターと接触すると音が出る。)や、電気的なセンサーが取り付けられています。
 残厚がわずかになると、ブレーキを踏んだ時に変な音が鳴る、もしくはメーターパネルに変なマークが表示される等でお知らせしてくれます。

 しかし、このセンサーも場合によっては役に立たない事があるので完全に当てにするのは危険です





整備工賃ってどうなってるの?


 
 ディスクパッド交換の整備依頼の場合、
 「ディスクパッドの交換をして下さい」という依頼はあまりなく、
 「ブレーキをかけると変な音がするので見て欲しい」という依頼から、ディスクパッドの交換になる場合が多いです。その場合ディスクパッドが磨り減って全く無く、ディスクローター(ディスクパッドに擦られる側)まで損耗が発生して交換になる場合が多々有ります。


 先ほど「一年点検時にディスクパッドの交換をすればお得!?」と”?”マーク付きで書きましたが・・・。 実はディスクパッドの交換工賃については、“車検時”の方がお得だったりします。
 差額を下にまとめました。

~ディスクパッド交換の単体依頼~
¥14,000

部品代と、交換工賃(¥4,000)が必要になります。


~ 車検時に交換 ~
¥10,000

車検時はディスクパッドの脱着点検をしているので、
交換工賃はかからず部品代のみ必要となります。 


~ 一年点検で交換 ~
¥12,000

一年点検時は、部品代交換工賃(¥2,000)が必要になります。
単体依頼よりも交換工賃が安くなっています

ディスクパッドは仮に¥10,000として計算しています。
(※ディスクパッドは車種によって価格に差があり、出所の怪しいものなら安い物もあります。)
(※交換工賃は殆どの車両で上記の金額になりますが、ご依頼の際は念のためご確認をお願いします。)


~ 車検時と一年点検時の差額 ~

¥2,000



 差額の2,000円を大きいとみるか小さいとみるかの判断は皆さんにお任せします。



まとめ

 消耗部品はダメになってからの交換では遅いことがあります。オイル交換せずにいたら変な音がして、すぐに交換したけど良くならなかった、とか。
 今回例に出したディスクパッドですが、これも毎年同じ消耗厚とは限らないので、実際にはさらに余裕をもった提案をすることになります。

 整備士の目からすると、ディスクパッドの残厚がもし1㎜しかなかったら、「見事に使い切ってすばらしい」とは感じず、「危ない」「ギリギリじゃないか」「ブレーキが効かなくならなくて良かった」と感じます。
 この仕事は整備ミスが絶対に許されない事ですし、安心を提供する為お預かりしたクルマを完璧に仕上げるのが整備士です。

 私もクルマと付き合う一ユーザーですが、他の皆さんもおそらく
 「とにかく安く乗りたい」「安全第一、不安無く乗りたい」 「買い換えを考えているけど、踏ん切りがつかない。」
 等、クルマとの付き合い方は様々で、いろいろな要望があるかと思います。
 整備費を安くするには、ユーザーが『クルマとどのように付き合っていきたいかを事前にしっかり伝える』というのが秘訣なのかもしれませんね。



 エンジン・フラッシュ

 交換の目安は、3,000km~5,000kmです。
 オイルの汚れがひどい状態で走り続けると、エンジン内にゴミ(ワニス・スラッジ)が溜まりやすく、オイルラインの目詰まり等で潤滑不良がおきる危険性が高くなります。
 交換工賃込み ¥2,160~ 
 交換料金は車種により異なります。

 エンジン・フラッシュ

 走行しながらエンジン内の汚れを徐々に取り除き洗浄を行うので、隅々までしっかりと汚れを落とすことができます。
 3000~4000km走行してからが交換の目安です。


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