14年07月15日
筆者 六郷
お客様から「助けて!」の電話を受けたときに・・・・
14年08月21日 一部改訂編集
いやな予感
いよいよ明日からゴールデンウイークだ!という休日前の夕方、突然電話が鳴った
「あのうまだやってますか」いやな予感を感じながら
「はい!まだやってますよ、なんでしょうか」
電話の内容は「突然エンジンが掛からなくなったので来てほしい」とのこと
でも、明日からの長期休暇は当社だけではなく部品屋さんもお休みになっちゃうし・・・
「さて、お客様からの依頼だ、早速出かけよう」と手持ち工具を準備して
え~とそれから “あれ” を持って来いと今年入社したばかりの後輩に、ハンマーで叩くような仕草をしてみせた。後輩は何のことだかわからないようだが “あれ ”なのだ。
“あれ”とは下の写真のようなちょっと長めの角材である。これを、イヤ“あれ”をどのように使うのかはベテラン整備士の勘である。
俺にまかせろ!
依頼のあった車はトラックで結構な距離を走っているらしい。そして突然のエンジンが始動せずである。最近はみなさん携帯電話をお持ちのようで車の不具合の様子を、お客様が車を目の前にして伝えてくれるので、故障の状態を知ることが昔ほど手間がかからない。
「バッテリーの具合は?」 「ヘッドライトは付きますか?」 「クラクションを鳴らしてみてください」など整備士が現場で確認しなければならないことが電話で用が足りてしますのです。
お客様の話を総合して判断すると、どうやらセルモーター本体の故障らしい。さらに走行距離が多いことにも注目した。トラックなので車の下を覗くとセルモーターを簡単に見つけられる。
う~む、これはセルモーターを外して分解整備しかないが・・・。でも明日からうちも電気屋さんも電気屋さんもお休みだ。話を聞くとお客様の会社も明日から連休だそうだ。
それなら作業は ”これ” しかない 「セルモーターを叩いてとりあえず始動させる」・・・・だ!
写真のように角材をセルモーターに当てて、角材の反対側をハンマーで軽く叩く、もう一人は叩く音を聞きながらタイミングよくイグニッション・キーを回す。予想通りエンジンは何事も無かったように掛かってしまった。
詳しい説明は省きますが走行距離が多い車ではよくある現象です。セルモーターを叩いて衝撃を与えて回転するきっかけを与えるのです。回転が困難だったセルモーターはいったん回り始めると勢いよく回りエンジンを始動させます。
最初は角材を怪訝な顔をしながら抱え出張修理に同行した後輩整備士も
大きな仕事を成し遂げたような満足した顔をして工場へと帰ってきたのでありました。
さて、私の言いたいことは、つ・ま・り お客様から“助けて”で電話を受けたときは
ある程度の故障の原因を想定して対応することが大切である。ということです。
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故障したお客様の車を”一発”で始動させて意気揚々と帰途についた新人の船木くんなのです。 |
お客様の会社も翌日からGWの休暇とのこと
「とりあえずエンジンを掛けて会社まで戻れればいいから」と言うことなのでこのような応急修理をしました。休み明けにはセルモーターをリビルト品と交換しました。
あ!帰路途中にまたエンストすると困るので、お客様には角材をプレゼントしました。
お客様と電話で話しているときは、
病院でお医者さんに問診されている事と同じです。
できるかぎり詳しい情報を伝えてくださいね。
交換の目安は、3,000km~5,000kmです。
オイルの汚れがひどい状態で走り続けると、エンジン内にゴミ(ワニス・スラッジ)が溜まりやすく、オイルラインの目詰まり等で潤滑不良がおきる危険性が高くなります。
交換工賃込み ¥2,160~
交換料金は車種により異なります。
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走行しながらエンジン内の汚れを徐々に取り除き洗浄を行うので、隅々までしっかりと汚れを落とすことができます。
3000~4000km走行してからが交換の目安です。 |
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